CanSat

目次

 

※現在のプロジェクトについては「PROJECTS」をご覧ください。

2022年度 能代宇宙イベント CanSatランバック部門

STEP衛星班は第18回能代宇宙イベントCanSatランバック部門に出場しました(4年ぶり!).結果を報告いたします.

 

本来は野外にて50mの高さから投下する予定でしたが,雨天につき,体育館内において10mの高さからの投下となりました.これに伴い,開傘タイミングを早めるためにパラシュート-カプセル間のコンベックスを短縮し,誘導はGPSは用いずカメラと地磁気センサのみで行うようにプログラムを改変して臨みました.

 

運営の方々のご厚意もあり,全3回の投下を行うことができました.

 

1回目:

着地検知までは正常に動作したものの,カプセル展開用のニクロム線が加熱されず,カプセルが開きませんでした.原因は,投下高度が低くなったことによってパラシュートによって十分に減速できず,想定よりも強い着地衝撃が加わったことでニクロム線と電線の接続が一時的に離れたためだと推測しています.なお,ハンダの融点以上に加熱されるニクロム線の接続にはハンダを用いることはできないため,電線に巻き付けるような形で機械的に接続していました.

 

2回目:

1回目で課題となったニクロム線と電線の接触問題を解決すべく,巻き付け方式を変更し,接続をより強固にして臨みました.しかし,結果は1回目と同様で,着地検知までは正常に動作したものの,ニクロム線が加熱されず,カプセルが開きませんでした.原因は1回目と同様であると推測しており,対策が不十分だったと考えています.

 

3回目:

1,2回目での課題を踏まえて,ニクロム線と電線の巻き付け部にさらに絶縁テープを強く巻き,衝撃によって接触が離れないようにして臨みました.ニクロム線が絶縁テープの融点以上に加熱され得るという危険性はありましたが,本番環境の十分な防火設備を考慮してこのような形での投下を決断しました.結果は,上空検知までは正常に動作したものの,着地の瞬間に着地検知用の気圧センサとの通信でエラーが起こったことにより,メインプログラムが終了する形となりました.原因は,開傘と着地がほぼ同時だったことにより自由落下に近い形となり,強い着地衝撃によってRaspberry Pi ZeroのSDAあるいはSCLが機能停止したからだと推測しています.推測根拠としては,競技後の各モジュール単体での試験において,I2C通信を行う気圧センサと9軸センサのみ通信が不能であり,Raspberry Pi Zeroを交換したところ正常に通信できるようになったことが挙げられます.また,片方のギアードモータが内部で破損していたことも分かりました.

 

予定よりも低高度からの投下という難しい条件とはいえ,ニクロム線の接触問題は50m投下でも起こり得る問題であり,かつ審査書作成の段階から認識していたため,本番までに解決できなかったことは反省すべき点だと考えています.また,その他の耐衝撃性の問題に関しては仕方がないとも言えますが,万が一の場合の例外処理の実装やシステムに冗長性を持たせることの重要さがよく分かる結果となりました.

 

設計面・マネジメント面の詳細な問題点・反省点については,OBOG会や活動報告会にて追って報告いたします.

 

最後になりましたが,諦めの悪いPMのわがままを聞いてくださった大会運営の方々,応援・協力してくださったOBOGの方々,そして寝る間も惜しんで開発してくれたメンバー達に,この場をお借りして感謝申し上げます.

2021年度 種子島ロケットコンテスト CanSatランバック部門

2022年3月にオンラインで開催された種子島ロケットコンテストCanSatランバック部門へ出場しました.二輪形を採用する団体が多い中,STEP衛星班はより走破性に優れたクローラー型を採用しました.クローラー型特有の着地姿勢の不確定性といった問題を解決しつつ,ゴールまで0.2~3mの距離まで自律走行できるCanSatの開発・運用に成功しました.